契約関係で使われる用語を確認しましょう
SES業界で初めて働くという方に知っておいて頂きたい事につきまして、ご紹介させて頂きます。
まず、SESはS(システム)E(エンジニアリング)S(サービス)の事で、お客様先に常駐又はリモートにて、エンジニアによる「技術支援サービス」の事を言います。
SESは技術支援サービスの為、請負とは違い明確な納品物がありません。常駐先(リモート含む)に出勤し、技術支援した時間を勤務時間として記録し、その勤務時間を元に報酬が確定し、エンジニア自身に支払われます。
その支払い条件につきましても、SESならではの決まり事がございますので、ご説明をさせて頂きます。
ほとんどが案件情報に記載されている内容となりますので、案件を決める時に必要な知識になります。
契約条件に関わる用語といたしまして、以下のような言葉がよく使われます。
・単金
・スキル見合い
・精算幅
・超過控除精算額
・月額固定
・案件
・商流
・エンド
・元請け
・スキルシート
・並行営業
・面談
特に精算については、重要です
①単金
・単金とはエンジニアの所属側が記載している場合は、所属会社の希望単価となります。
・案件情報に記載されている場合は案件側の予算の上限となります。
*契約単価と混同してしまう場合がございますので、注意が必要です。
②スキル見合い
・案件情報やエンジニアの紹介情報の中で、単金のところに記載される事が多いですが、スキル見合いとはスキルシートの経験内容を面談で確認し、客先とエンジニアの所属会社(営業)で「交渉して金額を決めましょう」と言う時に記載される表記になります。
③精算と月額固定
・精算とはエンジニアが稼働した時間に対し、残業代を支払う事や休みが多く控除される時に月額単価に対して精算を行う時に使用されます。
*対義語として「月額固定」がありますが、この場合は残業や控除の有無に関わらず、月額を固定にて支払いをされる事が前提となっておりますが、「残業が多すぎたり」、「休みが多すぎたり」した場合も固定なのか? という事などでよくトラブルになります。月額固定の案件については、標準残業時間やエンジニアの勤怠などを確認し、よく考えてから契約をする必要があります。
④精算幅
・一番多い精算条件(精算幅)は 140h −180hになっており、これは1日8hの20日稼働の160hが中間値となり±20hの稼働が多いという事を示しています。月額稼働時間が140hから180hの間の場合は超過精算も控除精算も行わず、月額の契約単価を支払いますという事になります。
逆に140hを下回った場合は控除され、180hを上回った場合は超過金額を支払います。という意味になります。
▼精算幅の上限下限の例
・140h〜180h(下限は140時間、上限は180時間)
・150h〜190h(下限は150時間、上限は190時間)
・140h〜200h(下限は140時間、上限は200時間)
・160h〜200h(下限は160時間、上限は200時間) など
⑤超過控除の精算額
・超過控除の精算額の計算方法は上下割と中央値割があります。
例えば、月単価が50万円の場合で、精算幅が140-180の場合、上下割と中央値割の時間単価を並べてみると下記の通りです。
(1円単位を切り捨てにするか、四捨五入にするかなども条件がありますが、今回は1円単位まで記載)
▼上下割の場合
・月単価50万円(140-180h 上下割)
・超過単価:2,777円
・控除単価:3,571円
*例えば、185hの稼働だった場合
2777×5h=13885
超過金額として13,885円が支払われます
▼中央値割の場合
・月単価50万円(140-180h 中央値割)
・超過単価:3,125円
・控除単価:3,125円
⑥その他
・案件:業務内容やその仕事内容をまとめた情報を指します
・商流:現場から所属会社までの会社間の契約やお金の流れを指します。SESでは現場から所属会社までの契約に数社入り、営業を支援している事があります。その契約の流れを商流と呼びます。
・エンド:サービスを最終的に使用する会社。クライアント企業の事を指します。
・元請け:一次請け、プライム会社の事を指します。
・スキルシート:エンジニアの業務経歴を記載したシートをスキルシートと呼びます。
エンジニアにとって商売道具とも言える大切な情報をまとめた資料となりますので、丁寧に記載しましょう。
・並行営業:営業を複数社にしている状況を指します
・面談:お客様と面接をして、業務内容の確認やエンジニアの経歴を説明する場になります。一般的に同じ案件で1回から2回面談を行います。
フリーランスとしてSES業界で仕事をする場合、契約内容については自分できちんと把握して納得しているという事が重要になります。その為、相手が説明している内容を正確に把握する必要があります。
今回は契約に関わる一例を記載させて頂きましたが、この他にも知っておかないといけない内容なども多くあります。